XPのスタンバイ復帰後の不具合
昨年11月末に購入(http://d.hatena.ne.jp/atsurin/20081122)したPCゲーム「LEFT 4 DEAD」をXPにインストールして遊んでいるのだが、その為にXPの稼働時間が必然的に多くなり、今まで必要の無かったスタンバイ機能を使う機会が出てきた。ところがXPのスタンバイ復帰後、NIC(Network Interface Card)が立ち上がらず、ネットワークに繋がらないという事が判明。年末から修正に取り組んできたが、まとめると以下の通り。まず環境はというと、
- OS : Windows XP Professional SP3
- M/B : ASUS P5K Premium/WiFi-AP(Dual Gigabit LAN controllers、Gigabit Ethernet2ポート搭載)
- NIC : M/B内臓の2ポート中、1ポートを利用
- Power : M12 SS-700HM (ATX2.03以降の規格に対応)
- V/B : WinFast PX8800 GTX TDH(PCIExp 768MB)(ACPIに対応)
- Rooter : PR-200NE(NTTフレッツ光利用でのレンタル品)
- その他 : 一昨年9月1日(http://d.hatena.ne.jp/atsurin/20070901/)のPC自作時とスペックに大きな変更無し
症状は、
- スタンバイ復帰後、タスクトレイのネットワーク接続のアイコンが表示されない。または、表示されていてもメーラー起動等でサーバーが見つからないというエラー発生。
- [デバイスマネージャ]−[ネットワークアダプタ]の「Realtek RTL8169/8110 Family Gigabit Ethernet NIC」に「!」マークがついてデバイスが使用できないとなっている。
- デバイスマネージャ上で「Realtek RTL8169/8110 Family Gigabit Ethernet NIC」を無効にし、改めて有効にすると接続が確立される。またはXP(OS)のリブートで改善。
- XP上でスタンバイ機能を使ったことが皆無だった為、どのタイミングで不具合が発生するようになったのか不明(最初からNGだった事も考えられる)。
- Vista上(ハードウェアの環境は全く同じ、NICのドライバは別物)では不具合は発生しない。
以上のことから、NICのハード的な故障ではなく、XPやNICドライバ、設定に問題があると考えられる。そこで考えられる修正方法を以下の通り行ってみた(昨年12月末実施)。
- XPの更新プログラム確認。
- Windows Updateで更新プログラム導入済み。
- BIOSアップデートと設定
- 最新版BIOS(Ver.0802)導入済み。
- S3モードに設定済み。
- 設定に異常無し。
- NICドライバのアップデートと設定
- ルータのファームウェアアップデートと設定
- チップセットソフトウェアーのアップデート
- 最新版Intel Matrix Storage Manager(Ver.8.6.0.1007)を導入。
- ネットワーク環境の再構築(XP上)とIPアドレスの再設定
- XPでの電源オプションの設定
- 休止状態は無効に設定済み。
- USB接続されたマウスやキーボード等の電源管理(USBデバイスでのスタンバイ復帰)の設定に異常無し。
- その他の設定に異常無し。
- 他のデバイスとの競合等の確認
- デバイス競合無し。
- 常駐アプリ(特にネットワーク系やアンチウイルスソフト)の解除設定。
考えられることを一通り行ったが、不具合は改善されなかった。大概はNICドライバのアップデートやIPアドレスの自動取得・手動(固定)の切換、各デバイス(特にUSBデバイス)の電源管理の設定で改善される筈だが、XPと同環境、同設定のVista上では正常稼働していることを加味すれば、XP(XPのSP3リリース時に、ネットワーク系の不具合が多数報告されていた)か、NICドライバが諸悪の根源(!)と思われる。
ググって見たものの有益な情報を見つけることは出来ず、最悪、今週末にSP3のアンインストールや、OSの再インストールを行おうかなと考えたが、待て待て、もう一つ確認し無くてはいけない事があった!
マザボのP5K Premium/WiFi-APには、「Realtek RTL8110SCPCI Gigabit LAN controller(使用中)」と、「Marvell 88E8056PCI-E Gigabit LAN controller(BIOS上で無効)」の2つのNICが内蔵されているのだから、現在BIOSで無効にしている「Marvell 88E8056PCI-E Gigabit LAN controller」が正常稼働するか確認しなくてはならない。OSの再インストールなどはそれからでも遅くない筈!
早速、BIOS上で「Realtek RTL8110SCPCI Gigabit LAN controller」を無効にし、「Marvell 88E8056PCI-E Gigabit LAN controllerRealtek」を有効にしてXPを起動、スタンバイ復帰が正常に行われるか確認したところ・・・おぉ正常に動作するではありませんか!通信は安定し速度低下も見られない。尚、特に変わった設定変更はしていないし、NICドライバもデフォルト使用だ。勿論Vistaでも問題無し・・・という事は、不具合の原因は「Realtek RTL8110SCPCI Gigabit LAN controller」のドライバが未熟だったことが濃厚。相性問題も払拭できないが、NICドライバ絡みであることはほぼ間違いないと思われる。今後、「Realtek RTL8110SCPCI Gigabit LAN controller」の最新ドライバがリリースされたら、本当にNICドライバが原因だったのか確認するとして、今回は一応の解決とする。
ちなみに、マザボのASUS社(http://www.asus.co.jp/)のダウンロードページに登録されている各NICのドライバが古いのは頂けない。然程古いマザボではないのだから、更新をコンスタントに行ってほしい。また、NICを提供しているRealtek社(http://www.realtek.com/)のサイトが激重!またダウンロードページが使い難い。そう考えると、サイトのデザインも分かりやすくドライバ検索も簡単なMarvell社(http://www.marvell.com/)のNICを使う方が正解なのかもしれない。
ともあれ、不具合発見から修正までに時間が掛かった事案でした。お疲れ様です。